以前見た記事で、前日に値上がりした上位5の銘柄を当日の寄り付きで空売りして引けに売れば、日経平均が上昇相場であった年でさえ利益が出る(複利運用で204%以上)というのがありました。
デイトレードは空売りが有利? [株式戦略マル秘レポート] All About
気になったので検証してみました。
スポンサーリンク検証に使うSQLはこんな感じです。
SELECT A.コード,A.銘柄名,B.前日比騰落率,ROUND((C.終値/C.始値-1)*100,2) 当日騰落率
FROM 銘柄 A
INNER JOIN 時系列テーブルのある日(前日) B ON A.コード = B.コード
INNER JOIN 時系列テーブルのある日(当日) C ON A.コード = C.コード
WHERE A.貸借銘柄=TRUE
AND C.始値<>0
AND A.業種 NOT IN ('ETF','REIT')
ORDER BY B.前日比騰落率 DESC
LIMIT 5
時系列テーブルのある日(当日) (前日)の値を2021年初めから一つずつずらしていって、日付ごとにデータを得ます。条件として、
- 貸借銘柄でないと空売りできない
- 0割エラーを防ぐため始値<>0は必須
- ETFやREITに空売りはしないっしょ
というふうにしています。
一気に集計関数で求めるのもできそうですが、具体的な銘柄とか数値も見たいので、一通りのデータを日ごとに取った上で集計します。
結果ですが、139日分で当日騰落率の合計は-227.5%、値下がり数は361/695=52%となりました。値下がりするのは半分くらいしかありませんが、値下がり率の方が値上がり率より高いようで、当日騰落率を集計するとマイナスに傾き、資産は半年くらいで1.5倍程度に増えることになりました。
とはいえ、5銘柄に空売りを仕掛けるとなると、手数料無料でない証券会社をメインにしている人にとっては手数料が気になります。仕掛ける銘柄数をもっと少なくしたらどう変化するのか検証してみました。
結果は以下のとおりです。
仕掛け銘柄数 | 当日騰落率合計 | 損益 | 値下がり率 |
---|---|---|---|
5 | -227.5% | 45.5% | 361/695=52% |
4 | -265.6% | 66.4% | 294/556=53% |
3 | -207.4% | 69.1% | 217/417=52% |
2 | -282.1% | 141.1% | 152/278=55% |
1 | -173.2% | 173.2% | 78/139=56% |
当日騰落率合計というのは、そのまま単純に騰落率を合計した数値です。つまり、元手が同じだと仕掛け銘柄数5で実行するには1に比べて1/5に割り振らないといけないということです。よって、当日騰落率合計を仕掛け銘柄数で割ったものが損益ということになります。
仕掛け銘柄数が少ないほど利益が上がり、前日値上がり1位に一点張りすると損益も値下がり率(=成功率)も一番です! 上げ幅が大きいほど売り圧も強いということでしょうか? とはいえ、それでも値下がり率が56%で半数ちょいですね。データ上は一番儲かるのですが、今日は成功、今日は失敗と繰り返すモヤモヤする日々が続きそうです。
前日値上がり2位までに振り分けるのはよさそうです。損益も値下がり率も2番目です。1位、2位のどちらかは値下がってもう一方は値上がることが多いものの、合計としては値下がるってことになります。ザラ場の動きを見て、こっちは値上がりそうだって思ったら早めに撤退するといった戦略もできそうです。
ところで、値上がったのがストップ高の引けだった場合、翌日もその流れを引き継いで値上がる可能性が高いのかなと思いました。そこで、
AND b.終値 < b.高値
という条件を追加してストップ高を除く上位で検証してみましたが、結果は上位1に仕掛けた場合の当日騰落率合計-138.7%が最良値ということになり、ストップ高だろうが恐れず空売りするのがよいという結果になりました。
あとは、時価総額が低い中小株の方がバンバン踏み上げることが多いという記事も読んだことがあるので、時価総額1000億以上に仕掛けるのも検証しましたが、結果は芳しくなく、愚直に空売り可能な銘柄に2点張りするより良い条件は見つかりませんでした。
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