三空叩き込みとは、酒田五法(三山、三川、三空、三兵、三法)でおなじみの売買シグナルの一つです。タイトルに上がるのか?と書きましたが・・・上がるでしょ!めっちゃ強い買いシグナルのはずですが、数値化して検証してみます。
三空叩き込みの定義は、『窓を開けて3日続落し、その続落に関与したローソクが4本とも陰線』というものです。また、窓開けには実線(始値~終値)が重ならないパターン、ひげ(高値~安値)が重ならないパターンの二つがありますが、より強力な三空叩き込みを調べるため、ひげが重ならないパターンを抽出します。(他のサイトでもひげが重ならないのを窓開けと定義しているところが多い印象を受けます。)
そして、厳密にはローソクが陰線になるのが条件ですが、寄らずのストップ安だと始値、終値(、ついでに高値、安値も)が同じ値になり陰線にはなりませんが、このパターンも対象にします。
あと、1日の出来高が数百株とか以上に少ない過疎株は簡単に窓を開けるので、4日間の出来高が4万以上(1日平均1万以上)とします。ETFで三空叩き込みになるようなファンドはロクなもんじゃないと思っているのでETFは除外します。コロナショックでは調べていませんが、大暴落期間なので三空どころか四空、五空と下がり続けたんじゃないかと思います。よってこの期間は外します。
というわけでSQLは・・・
WITH SUB_TAB AS (SELECT A.日付 ,A.コード ,A.前日比騰落率 ,A.ギャップ率 ,CASE WHEN A.始値=0 THEN 0 ELSE 100 * A.終値 / A.始値 - 100 END 寄付比騰落率 , LAG(A.高値) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 高値1 , LAG(A.安値) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 安値1 , LAG(A.出来高) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 出来高1 , LAG(A.始値) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 始値1 , LAG(A.終値) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 終値1 , LAG(A.高値,2) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 高値2 , LAG(A.安値, 2) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 安値2 , LAG(A.出来高, 2) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 出来高2 , LAG(A.始値, 2) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 始値2 , LAG(A.終値, 2) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 終値2 , LAG(A.高値, 3) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 高値3 , LAG(A.安値, 3) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 安値3 , LAG(A.出来高, 3) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 出来高3 , LAG(A.始値, 3) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 始値3 , LAG(A.終値, 3) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 終値3 , LAG(A.高値, 4) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 高値4 , LAG(A.安値, 4) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 安値4 , LAG(A.出来高, 4) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 出来高4 , LAG(A.始値, 4) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 始値4 , LAG(A.終値, 4) OVER(PARTITION BY A.コード ORDER BY A.日付) 終値4 FROM 時系列 A) SELECT B.銘柄名,A.* FROM SUB_TAB A INNER JOIN 銘柄 B ON A.コード = B.コード WHERE A.高値1 < A.安値2 AND A.高値2 < A.安値3 AND A.高値3 < A.安値4 AND A.始値1 >= A.終値1 AND A.始値2 >= A.終値2 AND A.始値3 >= A.終値3 AND A.始値4 >= A.終値4 AND B.上場市場 <> 'ETF・ETN' AND (A.日付 < '2020/3/10' OR A.日付 > '2020/4/15') AND A.出来高1+A.出来高2+A.出来高3+A.出来高4 > 40000 ORDER BY A.日付 DESC
このようになりますね。見たい日から分析関数LAGで4営業日前まで遡れば検出できます。分析関数はなかなか強力ですが、分析関数はSELECT結果をさらに集計するので、その結果で絞ろうとするといちいちサブクエリが必要ってところが面倒です。集計関数ならHAVINGで絞り込めるんですけどね。
結果は、2019/1/1~2021/3/12までで222回発生したようです。集計してみましょう。
前日比騰落率集計 | ギャップ率集計 | 寄付比騰落率集計 | 前日比騰落数集計 | ギャップ数集計 | 寄付比騰落数集計 |
---|---|---|---|---|---|
-103.18 | -163.66 | 79.24 | -24 | -71 | 16 |
率の集計は222回分の率を単純に集計しただけです。数の集計は、プラスなら1、マイナスなら-1に変換したものを集計しています。この結果から、三空叩き込みが起きると翌日はギャップダウンで始まり、陽線で終わることが多いようです。表には載せていませんが、陽線または十字線で終わったのは133回あったので60%の確率で損はしないことになります。
気になっていたのは、二空が発生した時点で注視しておき、こりゃあ三空叩き込みになるぞとわかったら三空目の引けに仕込んでおいたほうがいいのかということでした。どうやら三空叩き込みが起きた翌日に寄りで買ったほうが儲かるし、むしろ三空目の引けに仕込むと損するようです。
印象に残っているのは、DOCOMOがスマホの格安プランを発表したことでMVNOをやっているIIJ(インターネットイニシアチブ、3774)が三空叩き込みに遭った2020/12/7ですね。実際のところ、IIJはMVNO以外にも事業をやっていて、コロナ禍によるテレワーク需要により利益爆上げでした。その後の決算で利益爆上げが発表されたことで株価が上がったので、翌日2020/12/8は絶好の押し目買い日だったんですね。このようになぜ三空叩き込みに遭ったのか、ファンダ面を一晩しっかり調査して、上がる方だと思ったら寄りで買うとやっていけば、より良い結果を残せそうに思います。
では今回はこの辺で。
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